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ある土曜日。
12時――すなわち正午に起床した沙紀はしばらく夢と現実の間を渡り歩き、結局布団から抜け出したのは1時近くなってからだった。
窓の外を見ると太陽は既に高く昇っている。
「……買い物、まぁいいか」
本当は今日、服を買いに行くつもりだった。もともとファッションに興味のなかった沙紀は、大学に入学してからというもの着ていく服に迷わなかった日がない。レパートリーが少なすぎるのだ。一念発起して服を買いに行こうと決意した矢先、だった。
気怠さと空腹が、外出する気力を沙紀から奪った。買いだめしてあったカップラーメンを食べると、沙紀はそのままパソコンの前に座った。
パソコンのスリープ状態を解除すると、書きかけのレポートが現れた。月曜日が締め切りのレポートだ。
書きかけの文章をつなげてみようとしても、どうにも頭が働かない。テーマについて調べるんだと言い訳をして、インターネットブラウザを開く。こうなるとレポートなど手につかないのは分かっていた。でも、手は止まらなかった。
結局インターネットをやめたのは窓の外が闇に包まれたあとだった。
別の土曜日。
差し込む朝日の明るさから、まだ早朝であることがわかった。目覚めがよかったので沙紀はそのまま上体を起こした。ぐるるる、とお腹が鳴る。
冷蔵庫をあさると卵とベーコン、保存してある茶碗一杯のごはんを見つけた。具合がいい、とばかりにそれらを使って朝食を作る。
立ち上る湯気の温かさが心地よい。
沙紀は朝食を済ますと、なんとなく外を歩いてみたくなった。着替えて外に出ると、さわやかな空気が沙紀を包み込む。
しばらく歩いていると公園に行き当たった。静謐な雰囲気で心まで洗われる気がした。
自然とやる気がわいてくる。今日は買い物に行って、それから部屋の掃除をして、それから――。
ブランコにぶら下がりながら、沙紀はぼそりとつぶやいた。
「毎日こんな風に過ごせればいいのにな」